「真由にそう言ってもらえるのは嬉しいけど、今回もダメかもしれない。本当は他にも色々企画を考えたりしてるんだけど、いつもプレゼンで負けるんだ」


そりゃもっと良い企画を持ってきたライバルがいたら、負けるんでしょうけど、最初から負けると思ってるってどうなのよ。

またまた苦笑いの慎吾には思わずため息をつきそうになってしまった。


あの家族の中で、優秀な兄たちを見て育てば、こうなるのも仕方がないような気もするけど、それにしてもイライラする。

仕事ができないできない言われてるけど、慎吾の場合、自信がないだけなんじゃない?


「大丈夫、絶対勝てる。
今までの企画は知らないけど、今回のものはすごく面白そうだと思う。
慎吾は色々なことに自信なさすぎよ、もっと自信もって?
私は、慎吾の良さをもっとたくさんの人に知ってほしい」


部外者の私に企画が通るかなんて分かるわけがないけど、少しでも慎吾の自信がつけばいい。

御曹司というだけで魅力的だけど、慎吾が自信をつけてそれが出世に繋がるのなら、そっちの方がありがたい。


今までは徹底して慎吾を否定することは言わなかったけど、今回に限り、少しはっきり言わせてもらう作戦に出る。

これが吉と出ればいいんだけど。