「慎吾!.......慎吾?
さっきからずっと携帯なってるんだけど、どうする?」


ごはんも食べ終わり、今日は泊まっていくことになった慎吾がシャワーを浴びていると、何度も何度も着信を告げる慎吾のスマホ。

このなりかたはメールではないだろうし、急ぎの用かもしれない。

お風呂のドア越しに慎吾に声をかける。


「悪いけど、誰からか見てくれる?
カバンに入ってると思う」

「え?それはいいんだけど、私が見てもいいの?」

「?うん、よろしく。ごめんね」


誰からの電話か確認するのは、全然いい。

全然いいけど、勝手にカバンあさっちゃってもいいの?


少し迷ったけど、本人が良いと言っているので、慎吾の仕事用のカバンを拝見させてもらうことにする。

黒い仕事用のカバン。
よくサラリーマンが持っていそうなオーソドックスな形だけど、よく見るとこれまた高級そうなカバン。

そのなかからスマホを探すと、色々なものが出てくる。

高級ブランドの長財布に、これは......仕事用の書類?