急いで鞄を持ち、一気に下まで駆け付けた。
渉の前まで行くと、ふと目についた。
…自転車。
「あれ?どーしたのチャリ?」
「どーしたって俺のん」
「それぐらい分かるよ」
「歩くのダリー時は、いつもチャリ」
「へー…」
「早く乗れよ」
あたしは頷き、自転車の後ろに立ち渉の肩にしがみついた。
朝の気持ちいい風とともに自転車は前に進みだす。
河原添いまで来ると渉は「なぁ?」と声を出した。
「なーにー?」
あたしが大きく渉の耳元で叫んだ。
「俺、美央の事、大切にするから。すっげー愛してっから」
あたしは声に出して笑い、渉の頭を軽くポンっと叩いた。



