もう一人の若い女性が階段の下で手招きした。

全員が移動したのを確認するとハイヒールをカツカツ鳴らしながら階段を上った。

女性の後ろに参加者が続々とついていく。
 
孝也はライバル達を観察しながら最後尾で翔と上った。
 
錆びれた階段は上るたびにギシギシと音を立てた。

ここに来る途中はゲームのことで頭いっぱいで他に気を配る余裕などなかった。

しかし今思い返せば周りは廃屋のビルばかりだった気がする。

おそらくここもそうなのだろう。