あの後の調査で、写真を送ったのは工藤さんだっていうことが判明していたから、うまく言い逃れれば、処分を免れることも可能ということだったけど。

なんとなく、彼はこのまま辞めるような気がしていた。
だって、もう罪滅ぼしは終わったんだし、わたしの側にいる必要もないもんね。

つまりもう、会えないかも……ってことだけど……。

その方が……彼にとってはいいのかもしれない。
これ以上過去に縛られて生きるよりも。

ふう。
わたしがため息をついた時。

「おい、亀井っ!?」
田所の叫び声に、わたしはびくんと顔をあげた。

「お久しぶりです」
エントランスから、変わらない笑みを浮かべて入ってくるのは……拓巳だった。

「どうしてたんだよ!」
「ちゃんと謹慎してましたよ」
あっという間に制作部の社員たちに囲まれてもみくちゃにされる拓巳を、遠目に見る。
あぁ、元気そう。よかった。

「今日は、新部長に辞表出そうと思って、出てきました」