【裏切り者】

その言葉は私をいとも簡単に真っ黒い大きな大きな
穴へと背中を押した


「最低だね」
「そんなことする子だっただなんて」
「ひどいよ」
「早く出てけよ」

「お前なんかーーーーーーーーーーーーーー」

やめて、嫌だ、それだけは言わないで

「いなくなればいいのに」

ぁあ、また私は出口のない息苦しい暗闇へと
戻されるのだ。