玄関に置いてある時計を見るともう20時半前だった。

遅くても20時前には帰っているからか。
「ごめんね、大丈夫だよ。陽と海に寄ってただけだから」
にぃは私が暴走族に入ってるのを知ってる。

にぃと皆を合わせたことがある。
その時に、にぃと虹達が知り合いだと知った。

なんでも、にぃの友達が虹の先代だったらしくて、にぃも虹に遊びに行ってたみたい。
椎たちもまだ下っ端だった頃らしい。

「ならいいけど。今日は椎君に送ってもらってないんだね」

「ちょっとね…」
別に後ろめたい訳じゃないけど、にぃは心配性だからな。
でも私がにぃに隠し通せるとも思えない。

「実は…」