爆走姉貴ー星路の苦悩ー

しかも落ち着いた様子で!
話を聞こうという大人の態度で!



……こういう所が図々しいんだよなぁ。
美月って。

自分のした事を棚に上げて、上げた事さえ清々しく忘れる。




溜め息。
ホントに溜め息しか出ねぇ!




「美月が蔵野さんの店に美鈴を呼んだんだろ。俺に話をさせる為に」
「そうだっけ?」


清々しく忘れていやがる!



「俺は話がしたかったんだ!なのに美月が妨害したんだろうがぁっ!」
「話?ならいくらでもしろ、ホラホラ」
「星路さん、自分で良ければ話聞くっす…」
「蔵野さんとじゃなくてね?!」
「何?!エッグの思いを足蹴にするのか!」
「どんな思いだ!」
「草場の影でお前の守護霊様が、守護する人物のヘタレさを嘆き、ヤケくそでビールかっくらってるぞ!」
「守護霊様にまで言い掛かりつけんな!俺が話したいのは美鈴だぁっ!!」



人の話は最後まで聞けぇっ!!




「美鈴ちゃんと?」
「そうだよっ!」


なんだぁと、美月は肩をすくめて苦笑した。


「なら初めからそう言えばいいのに…」


初耳口調っ?!

「昨日から言ってたよねっ?!」
「さぁ…」


さぁ?!