好きなひとへ。

今日は、特に寒い日だった。

ウィンドブレーカーを着ても、身震いするほどの寒さ。

いつもは昼休みになると、校庭に駆け出して行く男子たちも、今日は教室でトランプなんてしちゃってる。

それも、あったかい暖房機の前で。

そのトランプ男子の中に、君もいる。

どうやら、ダウトをしているようで、順番に数字を叫ぶ声が聞こえる。

「11!」

と叫んだ君に、男子たちはすぐさま、

「ダウト!!」

そして、カードをひっくり返して、本当に11じゃなくて、みんなに笑われている。

そして、みんなの出したカード全部を手に取り、君は叫ぶ。

「なんだこれ〜!一番最初から、12とか出してる奴がいるんだけど!」

わはははははと、あったかい空気に響く、あったかい笑い声。

そんな君を見て、私も心があったかくなる。