「だっ………だいたいおまえマイペースすぎ!

今日だってバーベキュー提案して俺に振ってくるし」

「貴也は、バーベキュー行きたくない?」


「………は?」


俺の言葉に被せて質問してくる結灯。

結灯は、いつものように笑みを浮かべて、
蛍太郎の隣にしゃがんで、俺を見上げる。




結灯は、もう一度ゆっくりと発音する。



「貴也はみんなで騒ぐの、きらい?」


「…………」




『貴也!部活部活!』

『貴也~、帰ろうってばー!』



一瞬、脳裏に浮かんだ『やつら』。





何を未練がましく思い出してるんだろう。




俺は口角だけ上げて、答える。


「………さあな」


結灯は表情を変えず、特に驚いたふうでも、ショックを受けたふうでもなかった。