その灯火が消えるまで


「そう!それだけ君は好かれてるんだよ!

…………それに、あの子の変わるきっかけは、
君だしね」


「………変わるきっかけ?」



戸塚は、ふふっ、と笑う。


「………これ以上は、本人に聞きなよ」




……………本人に?



「……結灯は、今、どこにいるんですか?」


「国立病院。ここから車で30分のところ」



病院。


その言葉は結灯の現実を、さらに生々しく感じさせた。



戸塚は、また真剣な表情で、
俺を真正面から見つめる。




「君は、結灯に最後まで向き合う覚悟がある?」





俺は笑った。





「もちろん」