その灯火が消えるまで






「私、やらない」

「どうして?」


入院するので与えられた部屋で。

私は、お母さんにはっきりと言った。



「延命治療なんて、お金の無駄だよ。

最初から生きる時間は知ってたんだから
私は、その時間だけ、楽しむから。

その分、灯理を幸せにして」




「……結灯。お母さんたちは、あなたにも生きてほしいの」

「………私は、やらない」




絶対、手術なんてしない。

延命治療なんてしても、治らない。




いつかは、死ぬんだもん。






それから、私を変える一年が始まった。