「………元気に見えますが、やっぱり進行してるようですね」
丸1日かけて検査をして、
その結果を見たお医者さんは、
最初にそう言った。
「結灯ちゃん。体は、今つらい?」
「ううん。ぜんぜんつらくないよ」
それまでは全く体に異変や辛さを感じたことはなかった。
まだ血管は普通に動いているし、
私の血管の人と違うところは、厚さだけ。
「どうにか、治す方法はありませんか?」
お母さんはやっぱり、そう聞いた。
お医者さんは少し唸って、
「………血管を少しずつ補強する手術なら、それを続けることで延命もできるかもしれません」
お母さんは、眼に光を灯して頭をあげた。
でも反対に。
私の心は全く晴れなかった。

