そんな時。 「………東京の病院?」 「そう。そっちの先生が結灯ちゃんを一度診断してくれるって言うのよ」 私の主治医の中山先生から勧められた東京の大きな病院。 治るならば、それに越したことはない。 「結灯、言ってみよう」 お母さんもお父さんも、 私を治したくて必死だった。 「うん」 9歳の秋、1年間、東京の病院へ入院することになった。