その灯火が消えるまで





ガラッ。


叶多の病室にいた時、ドアが開いて。



「よっ!」


「あっ!はるちゃん!」

「………はるか」



入ってきたのは、戸塚遥香。

叶多の11歳年の離れたお兄ちゃん。



その頃は大学生で、医学部に通っていた。

お医者さんになりたいんだって。





「叶多、結灯!元気だったかー?」


「うんっ!」

「……お前が来たら元気がなくなった」


そう言いながらも、
叶多はゲーム機を伏せて置いた。


叶多は自分がいなくなる時を考えて、
はるちゃんに冷たくしてるけれど。




本当は、はるちゃんのことが自慢で、
はるちゃんを大好きだった。