「ただいま」
夜7時。
帰りも結灯とか野沢、翼に学校周辺を案内してもらっていた。
結灯や翼の案内はまるで参考にならなくて
意外と野沢の案内が的確だった。
(俺はなぜか敵視されているけど)
「お帰り貴也ー!」
「……ただいま」
母さんはハイテンションで出てきた。
「友達は、できたかなぁー?!」
手をマイクのようにして俺に向けてくる。
「…できた」
俺がボソッと言う。
「おめでとーう!」
スポーンッ!
母さんは隠し持っていたシャンパンのビンを開け、俺の頭にコルクが跳ね返るように天井にコルクを飛ばした。
「うおっ、あぶねっ」
「あー!避けるなよー」
「ふつー避けるわババア!」
「ふふふ」
母さんは楽しそうに笑う。