その灯火が消えるまで



「……あなた、田舎のバカだと思ったら、
けっこう鋭いんだね」

諦めたようにふっ、と下を見る美津。


「あなたの思ってる通り。

………私が、幹歩に言ったのよ。

『私と貴也を、出来るだけ二人にさせてくれないかなぁ?』

って、3月の末にね。


だってあいつ、邪魔だったんだもん」



……………は?

なに言ってんの?



美津は観念したのか、ぺらぺらと話す。


「まさか私だって、幹歩があんな風になるなんて思ってなかった。

学校は全体的に幹歩の味方になっちゃうし。

彼女の立場だった私には誰に言ってもきっと貴也と同じ立場にさせられる。

だから私は、一度幹歩の味方になったの。


でも、今度は貴也を支えてあげるの。

『私はちゃんと貴也が悪くないってわかってる』って」