そこですかさず、静かに、綺麗に、
瑠衣が手を挙げる。
「はい、瑠衣ちゃん」
「かわいい結灯以外にいないと思います」
「………はい、他の人。」
さらりと無視。
「ちぇっ」
そう言いながら瑠衣は座る。
「あれ、諦め早いな」
俺が言うと。
瑠衣は恨めしそうな顔で振り返る。
「去年、嫌がる結灯を出したら奴は自分のクラスのシフト以外、姿を消したのよ」
「………あいつ、人を無理矢理やらせといて勝手な……！」
「……結灯、すごいモテるしね。
囃し立てられるの好きじゃないのよきっと」
モテるのか。
……確かに、顔も整ってるし、性格もいいしな。
