やめろ。
幹歩は、疲れてるんだ。
「幹歩は、きっとスランプなんだよ。
お前ら、今はそっとしておいてあげて」
つい、怒り口調で強めに言ってしまった。
「………………」
部室に訪れる、長い沈黙のあと。
「貴也は優しいなぁ~」
「ごめん、確かに言い過ぎたわ」
「美津ちゃんがお前のこと大好きなの、わかる気がするわ~」
「俺、女だったら貴也に惚れてたな」
「お前絶対振られるぞ」
性格のいい仲間たちは、次々に謝ってきた。
「ありがとう」
俺は部員たちに感謝した。
そのときあいつが見てたことに、
俺は気付いていなかった。

