謎解きソルフェージュ

「欲するのは金銭や名誉だけとはかぎらない。
学者に必要な資質は際限のない欲深さだろう。自分の探求するもののためなら、悪魔に魂も売りかねない人種だ」

「そ、う、ですか・・・」

「そういう意味では素晴らしい学者だ」

泉の辛辣な評に、返す言葉はなかった。


折よく、「オムライスお待たせしました」と注文が運ばれてくる。
付け合わせのドレッシングがかかったサラダと、カップに入ったコンソメスープ、それと温かそうな湯気をたてるオムライスが、テーブルに並ぶ。

いただきます、とさっそくスプーンを取り上げる。
ほどよい半熟具合の黄色い卵と、ケチャップの赤が食欲をそそる。

ひとさじすくって口の中へ。
うん、なかなかの味だ。

濃い目のケチャップライスと、バターの香りをまとうふんわり半熟卵の組み合わせは絶妙だ。