謎解きソルフェージュ

泉に続いて鞠子の姿をみとめて、女性がすこし目を見開いた。
窓際のテーブルに向かい合って腰をおろす。

「お連れ様ですか、お珍しいこと」
水とおしぼりを出しながら、マダムが如才なく声をかけてくる。

「教授のとこの学生さんだよ」
泉が短く答える。

ああ、と合点がいったようにうなづく。
「牧教授のところの」

鞠子は軽く頭をさげた。

メニューを開く。
ナポリタン、オムライス、デミグラスハンバーグ・・・と懐かしい定番メニューが並んでいる。
価格はごくごく一般的で、内心胸をなでおろす。


オムライスにしない?
ぽんと向かいから声が飛んでくる。

「あ、はい」
反射的に返す。

おすすめなのだろうか。

オムライスをふたつ、と泉がマダムに注文する。