謎解きソルフェージュ

言葉をなくしたまま、うつむく。

覚悟していた。
いやもちろん、何もないほうがいいに決まっているけれど。

下手なことを言って「やっぱり横になって」という展開になったらどうしようかと(彼ならありえそうだ)、そんなことも頭をよぎり、何も言い出すことができない。

地獄→天国→地獄というコースを用意しているかもしれない。

ソファにかしこまったまま、あてもなく視線を迷わせると、また本棚のその一点に留まる。

やっぱりあるんだ、『E.T.』・・・
自転車に乗った少年と地球外生命体のシルエット。


「今回は負けた、っていうのかな、キミの信念に」

「・・・揺らぎました」

父への想いに変わりはないけれど。
自分が100%正義と信じていたものが、ひどく薄っぺらく底が浅く思えて仕方がない。

「———犯人を捕まえれば事件は解決する、なんて現実はそんなに単純じゃないのに」