分からない———
分からない・・・・
どのくらいそうしてうつむいて座っていたのか———
ふと目が覚めたように顔を上げると、水埜 泉と視線が合った。
なにも言わずにこちらを見ている。
この人は、すべてを知っていた。
「俺の推論が———当たっていないといいと思う」
「気が進まない」
そう口にしていたこの人もまた、同じように感じていたのか。
それなのに、それでありながら———
“償い”———渦巻きけぶる思考の靄を、それでも言語化しようと試みると、そんな一語があらわれる。
「すみません・・・取引を・・」
もごもごとつぶやくと、足に力を入れて立ち上がった。
泉のかけているソファーは、彼の占めている部分をひいても、長さも広さも十分な余地がある。
分からない・・・・
どのくらいそうしてうつむいて座っていたのか———
ふと目が覚めたように顔を上げると、水埜 泉と視線が合った。
なにも言わずにこちらを見ている。
この人は、すべてを知っていた。
「俺の推論が———当たっていないといいと思う」
「気が進まない」
そう口にしていたこの人もまた、同じように感じていたのか。
それなのに、それでありながら———
“償い”———渦巻きけぶる思考の靄を、それでも言語化しようと試みると、そんな一語があらわれる。
「すみません・・・取引を・・」
もごもごとつぶやくと、足に力を入れて立ち上がった。
泉のかけているソファーは、彼の占めている部分をひいても、長さも広さも十分な余地がある。



![he said , she said[完結編]](https://www.no-ichigo.jp/img/book-cover/1737557-thumb.jpg?t=20250401005900)