謎解きソルフェージュ

目撃者の一人は最初の被害者、四月朔日 美也の兄、和也だ。
美也とは三歳違いで、都内にある大学の大学院で建築学を専攻する大学院生。

四月朔日(ワタヌキ)兄妹の実家は千葉県袖ケ浦にあるが、現在は二人とも家を離れているので、母の咲子が一人で暮らしている。父はすでに亡くなっている。

父親を亡くしていることもあり、兄妹の結びつきは深く、事件の当日は美也のアパートで一緒に夕飯を食べる約束をしていた。

美也の住むコーポOTOWAは表通りから一本入り込んで50メートルほどの立地であり、夜になると人通りも少なく防犯面で万全とはいいがたい。
入居していたのは、二階の端、204号室だ。

隣の建物と隣接しており、敷地の境にはブロック塀が格好の足場のように立っている。
犯人は塀を足がかりに、窓ガラスを割ってベランダから室内に侵入。帰ってくる美也を待ち伏せしていたとみられる。