謎解きソルフェージュ

美也は、東武東上線みずほ台駅にある短大に通っていた。住んでいた女子寮も同じ駅だ。

同じ東武東上線沿線の常盤台には中央図書館があり、資料を借りるのに都合がいいというのが、美也が常盤台をアルバイト先に選んだ理由だった。

短大を卒業して就職し引っ越しをする去年の三月まで、アルバイトを続けていた。
当時のアルバイト仲間、幾人かの級友から、美也がその当時 “ちょっと気持ち悪い” 客がいると話していたという証言が得られている。

ずんぐりした体格の暗い印象の中年男、だったという。そしてその人物像は富樫道夫に当てはまる。
常盤台在住で、一人暮らしの男性である富樫が、駅前のファミリーレストランを利用するのは、ごく自然だ。

これにより富樫道夫が四月朔日 美也のストーカーだったのではないか、という説が浮かんできた。