謎解きソルフェージュ

そのためか、先の二人の犠牲者とは違い、襲われたのは自宅ではなく屋外だ。
江東区亀戸にある知人宅を訪ねた帰り、人気のない通りで背後から鈍器で一撃を加えられ、昏倒したところを路地に引きずりこまれ、やはり腹部を複数回刺されたとみられる。

遺体わきのアスファルトには「卍」の血文字が残されていた。


第四の事件はそれからさらに三ヶ月後。六月だ。

犠牲者は、中里 千香(なかざと ちか)。
二十九歳女性。都内のインターネット回線の代理店で派遣社員として勤務。
東京都杉並区在住。実家暮らしで両親と妹と同居。

殺害の手口は、皆本 弘人とほぼ同じだ。
駅から自宅への帰宅途中、暗がりで背後から側頭部を鈍器で強打。路地へ引きずられ腹部を刺され、絶命。
そして遺体のそばには、「卍」の血文字。


凶行はほぼ二、三ヶ月おきに行なわれている。今後も続くのではないかという見方が有力だ。