砂利と石畳が敷かれ、よく見れば雑草もなく手入れがされている。奥の屋敷へ通じる私道。
ここだ———直感に導かれながら、足を踏み入れる。
じきにぽかりと視界が開けて水埜邸が目の前に見えた。門はなく、豪邸というほど大きくはないが、風格のある洋館だ。
ミステリ好きの鞠子としては、江戸川乱歩の世界を連想した。
風雪を経ながらも、変わらずそこにあり続けた建物は、それだけで物語を感じさせる。
外観こそ時代めいているが、設備は近代的に手を加えてある、とこれも牧教授の弁だ。
一息いれて、呼び鈴を押す。
返事はないが、ガチャリと解錠の音がした。
入っていいってこと・・・?
そろそろと扉を開けるが、そこには誰もいない。
遠隔操作で開けられるようだ。
三和土などむろんなく、ホールが広がっている。昼なお薄暗く、どこかひんやりとした空気がただよう。浮いていた汗が、しずかにひいてゆく。
不思議な洋館だった。
ここだ———直感に導かれながら、足を踏み入れる。
じきにぽかりと視界が開けて水埜邸が目の前に見えた。門はなく、豪邸というほど大きくはないが、風格のある洋館だ。
ミステリ好きの鞠子としては、江戸川乱歩の世界を連想した。
風雪を経ながらも、変わらずそこにあり続けた建物は、それだけで物語を感じさせる。
外観こそ時代めいているが、設備は近代的に手を加えてある、とこれも牧教授の弁だ。
一息いれて、呼び鈴を押す。
返事はないが、ガチャリと解錠の音がした。
入っていいってこと・・・?
そろそろと扉を開けるが、そこには誰もいない。
遠隔操作で開けられるようだ。
三和土などむろんなく、ホールが広がっている。昼なお薄暗く、どこかひんやりとした空気がただよう。浮いていた汗が、しずかにひいてゆく。
不思議な洋館だった。



![he said , she said[完結編]](https://www.no-ichigo.jp/img/book-cover/1737557-thumb.jpg?t=20250401005900)