謎解きソルフェージュ

沈痛な面持ちでそう語った。

きみがあの、川瀬刑事の・・・そこに在りし日の父の面影を重ねるように、教授はじっと鞠子の目をのぞきこんだ。

その像がぐにゃりと熱く溶けた。
嗚咽をもらしながら、これは運命なのだと鞠子は信じた。
父が導いてくれたのだ。

自分は牧教授のもとで犯罪心理学を学び。いつの日か犯罪事件の捜査に尽力するのだ。

こうして牧ゼミに所属することになった鞠子の夢は、女刑事から犯罪心理学者に切り替わった。


「———被害者の身体に残された傷跡は左右対称で、数もまったく同じです。
このことから加害者は、非常に身だしなみに気を使い、真ん中からきっちり分けた髪型をしていると推察されます。
知的水準は高く、たとえば銀行員や建築家など、緻密さや計画性が求められ社会的信用のある職業についていると予測されます」