「俺らなんでお互い謝ってんだろうな!」


「傍(はた)から見たら絶対おかしい人だよね!」



お互い笑い合い、あのお見たく張り詰めた雰囲気はなくなった。



「じゃあ、二人の責任ってことで!」



そういった山本の言葉でまとまった。



「そうだな!」



俺の言葉でまた沈黙が続いた。


だけどさっきと空気が違う。

穏やかな、やさしい雰囲気。


沈黙を壊したくないほどのいい雰囲気だ。


でも俺は言わなければならないことがもう一つある。


山本が好き…。

ということ。


そして今改めて思った。


こんな雰囲気になれる山本が




「好き…、……」



そう思ったけど言ったのは俺じゃない。




「山本…?」



口に出ていることに気づかなかったのか、顔に熱が集まった。



「髙野くん。
私髙野くんが好き。恋愛感情として…。」




!?

山本が…?


俺のことを…?


好き………?