高知!よさこいの本場、高知!!
「高知」という単語で浮かぶのは「よさこい」
そろそろヤバイ、末期だ…つーかよさこい廃人だな。
もっとなんか他に思い浮かぶものあるでしょ、
と自分でもおもう。
「みあ?このカフェでもいーか?」
そういって月都がさしたのはオシャレで、大人っぽい雰囲気をまとうお店。
「……どこでもいいですよ。」
正直わたしははやく帰りたい。
これほどのイケメンにカフェに誘われることはもうないだろう。
ふつうの女の子だったらきっとよろこんでついていく。
だがあいにく、わたしはよさこい廃人でイケメンに興味はあっても時間を使いたくない。
恋愛、というものにあまり興味がないのだ。
「ほわぁ〜!」
望天はキラキラ…という効果音がつきそうなほどに目を輝かせていた。
「なにこれ、なにこれ!!」
望天の目の前には注文し、先ほど運ばれてきた抹茶ケーキと砂糖たっぷりのカフェオレが置かれている。
「こんなおいしいの食べたことない!」
とくに抹茶の生クリームが絶妙なバランス!
少し苦味があるが甘い…なんとも言い表せない味なのだ。
このスポンジ…紅茶?大人の女性が好む味。
望天は「超」がつく甘党。
それなりに色んなスイーツを食べてきている。
『ほっぺがとろけそうなほどおいしい』的な言葉…あったよね?
あれ、今まで意味わかんなかったし物理的に考えるとちょ〜こわいけどさ、あながちまちがってる言葉じゃない!
スイーツを食べてここまで感動できたのは初めてだ。
甘党のわたしが、あまり甘くないケーキで感動できたのも初めて。
「…つきとさん、たべないの?」
望天同様、月都の前にはブラックコーヒーとショートケーキ。
…置いてはあるが、ケーキは手付かずでコーヒーばかり飲んでいる。
「ん〜、今あんま食べる気しねーんだよなぁ…」
ならなんで頼んだ。
いつもの望天なら突っ込んでいただろうが、抹茶ケーキに夢中でスルー。
「みあってケーキ好きなの?」
「うん!…ケーキって言うより甘いもの全般好き!!」
カフェ入る前までの不満があるような顔はすでになく、満面の笑み。
その笑顔をみた月都は顔が真っ赤に染まっていく。
「……さっきまで仏頂面だったくせに…それは反則だろ」ボソッ
「…?なんか言ったー?」
月都はきこえるが、ききとれないくらいの声量で呟く。
「…なんもねーよ。」
照れ隠しなのかぶっきらぼうに言い放つ。それが望天には怒ってるようにきこえた。
「なに怒ってるの?わたしなんかしたかな?」
意味わかんない。
さっきの会話に怒らせるような要素があっただろうか?
…あ、もしかして
「甘いものキライなの?」
ブラックコーヒーなんて苦いモノ飲んでるし。
ケーキも手付かずだし。
「まぁ、そんなとこ…まだ食えるんなら、このケーキも食うか?残すのもったいないし…」
望天の頼んだケーキはもう4分の1も残っていない。
