…?なんで、そんなこときくのだろうか。
「ホテルです。駅の近くにある、おっきなホテル。」
1番わかりやすい説明の仕方。
駅の近くにはあらゆる方向にホテルがたくさんある。
それでも、おっきいホテルは多くはない。
しかも、一方向にかたまっているので、この説明の仕方で方向まで示すことができる。
「みあってさ、そうとうな方向音痴だろ?」
は?いきなり何言ってんの。ちがいますぅ〜う!
と、やはりココロの中では悪態をつく。
口にはだせないけどね!
「そんなことないですよ。」
「その和菓子屋ってあれだろ、鎌倉時代からある…って美味しいって噂の店。」
「そうですけど…」
なんなんだ??この近くにあるとか?それなら、今からすぐにでも行きたい。
てゆーかあの和菓子屋、やっぱり有名なんだ!
「その和菓子屋、駅の向こう側…ここから見てホテルの反対側にあるぞ?」
え?な、なに?反対側?なにが!?
こっち方面ですらなかったと?
「…冗談!!!!」
「いや、冗談じゃねぇし。てか、なに冗談って決めつけてんだよ! そこは疑問形だろ、普通!!」
なにがそんなに面白かったのか、月都は声を出してお腹をおさえて笑い始める。
んな冗談いってどーすんだよ!などと言う言葉もきこえてくるが…
望天はスルーしている…というより、耳に入ってきていない感じだ。
この方向に進めばつくと信じていただけにショックなんだろう。
