「…ふーーーーー」 「…舜くん、その深呼吸何回目?」 私達は篠原家の目の前に着いていた。 …しかし、着いてから早10分。 舜くんが「やばい、どうしよ、緊張する」とやらでさっきから家に入らせてくれないのだ。 「大丈夫だよ〜…、みんなウェルカムだから!」 「杏理の家族とか、緊張するじゃん。 …何回も嫉妬しちゃったし」 柄にもなく舜くんの顔がこわばっていて、なんだかもう微笑ましいレベルだ。 「…もうっ!入るからね?」