もうどうにも出来ないと諦めたその時、豊がチータに近づいた。



「チータ。なんで俺等がこうやってつるんでると思ってる?」



豊の言葉に少し拍子抜けしたような顔をするチータ。



「俺等はただ寂しいから一緒にいるわけじゃねぇ。ただの余りもの同士がつるんでいるわけでもねぇ」



喋りながら近づく豊にあたしはナイフばかりを見つめていた。



それ以上力をいれないでくれと願いながら。



「俺達は弱い。強がっても、強くなりたくても、弱くて吐き気がする。だから、一緒にいるんだよ」



豊が一歩近づくたびにチータの瞳に涙が溜まる。



「一人では抱えきれない事、この世の中では弱すぎて生きていけないこと、そんな事にぶち当たったときに助け合うためにチームを作ってるんだ。俺はそのためにここを守ってる」



勢い良く伸びた豊の手はナイフを握り締めているチータの手に重なった。



「俺達に何の相談もしないで勝手に決めやがって!!俺達には何もできないと思ったのか?あいつのほうが頼もしく見えたのかよ?!」



「豊……」



静かに喋っていた豊がいきなり怒鳴りだすとチータの目に溜まっていた涙がボタボタと床に落ち始める。



「帰って来い。お前にはまだ何にもしてやってないんだから」



「豊。悪かった……」