「カナちゃん。俺は金のために命をかけるんじゃないよ。家族のために命を懸けるんだ」



そう言い終えたチータはあたしから視線を逸らしていく。



待って。



まだ話は終わってなんかいない。



あたしは必死に次の言葉を捜した。



「でも、結局金だろ?金があればチータはこんなことしなくてもいいんだろ?それなら、あたしが力になるよ!!だから、頼む……死ぬなんて」



嗚咽で声が出せないあたし。



そんな自分がもどかしい。



チータを説得したいのに、チータに考え直して欲しいのに……



言葉すら出ないあたしは本当に何の役にも立たない。