「久しぶりだな。豊」



ジュンの一言で両チームの足はピタリと止まった。



「あぁ。ずっと顔を見せないから消えたのかと思ってたよ」



「相変わらずだな」



さっきみたいな不敵な笑みを浮かべるジュンに対して豊はまったく動じない。



それどころか、煙草を咥えて火を点けようとなんかしている。



今はそんなことをしてる場合じゃないだろ？と思わず声が出そうになる。



「これで最後にしろ」



フゥーっと白い煙を吐き出した豊は聞いた事もないような低い声を出した。



その声はコンクリートの地面から伝わってくる。



足から頭へと痺れるように走り抜ける豊の声。