「豊さん!!」 ただ事ではないその状況に屋上にいた奴等の視線はすべて、今あそこのドアから入って来た男に向けられる。 「ハァハァ、ハァハァ、奴らが動きました」 膝に手を当てて、乱れる呼吸の中、必死に搾り出した男の声にあたしは背中に汗が流れるのを感じた。 暑いわけではない。 長袖を着ていなければ寒い風が時折吹く、9月のある日…… あたし達の元にその知らせは届いたんだ。