あたし達に隠れて、受験勉強でもしてるのか?



……ってそんなことあるわけないか。



翔に限ってあるわけないよな。



それにしても、ここにいる奴等の殆どは3年生なのに、進路とかどうするんだろう?



豊も勉強してる素振りなんてないし、就職するんだろうな……



自分の家の工場を継ぐのかな?



「さっきからジロジロと何か文句でもあんのか?」



ジーっと豊の顔を見つめていたあたしの頭を突然豊が掴む。



「文句はいつもあるけど、今は言うまでもないことだ」



「どんな文句だ?いつでもたっぷり聞いてやるぞ」



「馬鹿豊!!力いれすぎだ!!頭が潰れる!!」



こんな風に何も変わらず過ごしていた朝に何の前触れもなく、知らせは訪れたんだ。