「そろそろカナイジメもいいんじゃないか?本人かなり戸惑ってるみたいだし」



秀があたしに助け舟を出すけど……



物凄く癪に障るのは気のせいか?



「ホントだね。カナの顔やばいし」



そう言ってあたしの顔を見た明美までがクスクスと笑い出す。



「さっさと歩け。行くぞ」



あたしは歩きたかったけど、あんたらが引き止めていたんだろって心の中で叫んでいたけど、フワッと背中に触れられた豊の手が心地よくて出かけた言葉は引っ込んでしまう。



これが海か……



あたしは再び感動に浸り始める。



みんなが夏になると海、海と騒ぐのがわかるな。


この場にいるだけで楽しめそうな気分になってくる。