ここが海なのか……



海に来るのが初めてなあたしは挙動不審になってしまう。



海に感動するまえに明美に謝らなきゃな。



明美?



明美はどこだ?



さっきまで近くにいたはずの明美の姿がない。



松葉杖を使っているから、すぐに見つかるはずなのに、見渡すかぎり男の姿しか見えないし……



「明美ぃ~~~!!」



あたしは手っ取り早く大声で明美の名前を呼んでみる。



すると、1人の男が振り返る。



「秀!!そういうことか」



振り返った男は秀で、明美は秀に抱き抱えられていた。



これじゃあ見つかるはずないよな。



あたしは沢山の男達を掻き分けて、秀と明美のもとへと走り寄る。



「明美。さっきは悪かった。明美だってわかんなくて」



あたしの言葉にプイっと顔を背ける明美。



「ホントに悪かったって」



あたしは無理矢理明美の視界に入り、再び謝るけど明美は答えてくれない。