明美は顔の前で両手を合わせ「お願い。秀ちゃんを説得して」なんてふざけた事を言ってやがる。



「無理に決まってるだろ。あたしだって反対だ」



あたしの言葉にガックリ肩を落とした明美は枕に頭をつけ、窓の外を眺め出した。



諦めてくれたのかな?



「私ね……嫌なの」



「はっ?」



窓の外を見たまま独り言のように話し出す明美。



「秀ちゃん達、最近疲れた顔してるでしょ?怖い顔ばかりしてるでしょ?それは私のせいじゃん」



「何言ってんだよ?明美のせいなわけないだろ?逆に明美が巻き込まれたほうだろうが?」



「違うよ。私が秀ちゃんを信じていれば、こんな事にはならなかった。チータの優しさに逃げなければこんな事にはならなかった。今頃みんなで笑い合えていたかもしれないじゃんか」



確かに明美の言っている事はわかる。



でも、チーム同士の揉め事だ。



遅かれ早かれ何らかの形でこうなっていたような気がする。