ピンポーン ピンポーン 何度もしつこく鳴らされるチャイムに、仕方なく布団からでたあたしはドアを開けた。 「はい」 すると目の前に何かを突き出された。 「鞄」 その声は…… 目の前の鞄を受け取ると、そこに立っていたのはやはり豊だった。 「鞄忘れただろ?秀の女が持ってきた」 「明美?」 「名前は知らねぇ」 「ありがと。助かった」 本当に助かった。 この鞄の中にはあたしの食料が入っているから。