「馬鹿だよ。チータも明美も……寂しくて辛くて、逃げ出して誰かと一緒になっても、絶対にうまくいかない。秀と蹴りつけて、自分の気持ちに正直にならないとチータも秀も傷つける。あたしは……明美にはあたしみたいな思いはして欲しくない」



一気にあたしが喋ると明美は嬉しそうに微笑んだ。



「ありがとう」って言いながら。



「ありがとう……じゃねぇよ。何したかわかってんのか?」



「わかってるよ。ただ、嬉しい。カナとこんな風に話が出来て」



「いつでも、話せばいいだろ?あたしはいつだって聞くし」



「うん。そうだね」



ありがとうを言いたいのはこっちのほうだ。



こんなあたしに仲間になって欲しいだなんて……



こんなあたしと話せただけで涙なんか流しやがって……



「明美。頑張れよ」



「うん」



そう言って笑った姿が最後だったかもしれない。



明美の心からの笑顔を見れたのはこれが最後だったような気がする。