「カナ。私、思うんだ。秀ちゃんが私のこと見てくれなくて寂しかった。でも、秀ちゃんや豊先輩の関係が羨ましかった。ただ、仲がいいだけじゃないでしょ?言いたい事はハッキリ言って、喧嘩して、殴り合って、それでも一緒にいる。ただ優しくし合うだけが仲間じゃないと思う」



「そうだけど……」



「私もそんな仲間が欲しかった」



涙を拭った明美はスッキリとした顔で前を向いた。



「カナ。私の仲間になって」



「あたしが?」



「私はカナのこと仲間だって思ってる。だから、思ってる事ハッキリ言って」



ギュっと握られた手から、明美の真剣さが伝わってくる。



「あ、あたしは……」



ここで本当の事を言わなければ、あたしはもう明美と会えないような気がした。



理由はわからないけど、何故かそんな気がした。