「言い訳になるけど……あたしも待ってたんだ。熱が出てる間、豊がお粥を持ってきてくれるって……でも、豊は来なかった。だから、あの女とどうにかなったんだって思ってた。そのことばっかり考えてたら、豊の誕生日忘れてた。ごめん」



素直に話した。



豊がこんな風に素直に向き合ってくれているのに、もう変なプライドなんて構っていられない。



「そうか……暴走の前で忙しかった。祐樹さんからお前のことは聞いてたけど、良くなってるって言葉に安心して、俺は誕生日には来てくれるってかけてたんだ。馬鹿だな」



「あぁ。あたしも馬鹿だ」



本当に馬鹿だよ。



どちらかが意地張らないで会いに行ってたら、あたし達はこんな風に離れることにはなっていなかったのに……



「お前が俺を避けるようになって、俺は怖かった。ふみの時みたく、別れを言われるのが……だから、離れて行くお前に何も言えなかった」



「あたしは豊の家に行ったんだ。でも、プレゼント見つけて、豊の誕生日を忘れてたことに気がついて……豊とふみは寄りを戻したって自分に言い聞かせた。そうしないと苦しくてどうしようもなかった。どうすればいいのかわからなかった。だから、豊から離れたんだ」



フッと笑った豊は「俺達、何やってんだろうな」と言いながら煙草に火をつけた。