「おい。起きろ」



「まだいいよ」



「寝ぼけてんなら、抱きかかえて連れてくぞ」



「……っん」



あたしはママに起こされている夢を見ていたらしい。



目を擦りながら起き上がると、そこには豊の姿が……



「おっはよう」



「こんな所でよく眠ってたな」



「みたいですね」



あたしはあのままいつの間にか眠りについていたらしい。



しかも、豊の膝を枕にして。



「さっさと行くぞ」



「今何時?」



「8時半」



「うぅ~」



あたしは大きな伸びをして立ち上がった。



ゴロゴロと横たわる人を跨ぎながら、豊の背中を追いかける。



豊は寝なかったのかな?



あたしが膝を借りていたから寝れなかったのか。