「……ヒック、うっ」



豊はあたしをゆっくりとソファーに降ろし、「痛むか?」と頭を撫でてくれる。



嗚咽が酷くて声が出ないあたしは首を左右に振った。



この痛みはあたしが受けて当然の痛み。



きっとこの痛みの何百倍も宗の心は痛いはず。



ずっとずっと痛かったんだ。



「少し眠れ」



そう言った豊はいつだったか保健室から盗んできた毛布をあたしにかけてくれる。



「豊、ありがとう」



「あぁ」



あたしはまだ止まらない涙を袖で拭い目を閉じた。