あたしは宗が出て行ったドアから視線を逸らすことができない。



体が固まったように動くことができない。



きっとあたしは何もかもが間違っていた。



こんな風に宗を傷つけたかったわけじゃないのに……



「……っ宗、ごめん」



太陽みたいな宗の笑顔。



優しい言葉。



楽しかった時間。



そのすべてをあたしが奪った。



宗……ごめん。



固まったまま立ち尽くすあたしに豊は「持ち上げるぞ」と声をかけ、あたしの体を抱き上げた。



お腹の辺りがズキンと痛んだけど、豊の胸が温かくて涙が余計に溢れてしまう。



宗の胸もこんな風に温かかったのに……