「宗?待って!!痛い!!」



学校帰りに宗の部屋に入るなり、ベッドに押し倒され腕を掴まれる。



「俺のこと好きだろ?」そう言い続ける宗の表情は見ていられないほど恐ろしかった。



あたしは宗の笑顔が好きなのに……



宗が脱ぎ捨てたTシャツであたしの手は縛られる。



頭の上で交差されられたまま縛られる手。



「やめろって!!宗、いい加減にしろ!!」



あたしはその行為を受け入れることができなくて、思わず宗を怒鳴りつけてしまう。



バシッ



その瞬間、殴られた頬。



ジンジンと鈍い痛みが顔全体に広がっていく。



「言葉遣いに気をつけろって言っただろ?!」



そう言いながら宗はあたしのお腹を殴り続けた。



痛さや悲しさでいっぱいのあたしは抵抗するのをやめた。



やめたというより、そんな力すらなくなってしまった。



そんなあたしを見下ろしている宗は「最初からそうしていればいい」と呟くとあたしの中に入ってくる。



下唇を噛み締めながら、ただボーっと天井を眺めるあたし。



宗をこんな風に変えてしまったのはあたしだ。



あたしの心が宗だけの物にならない事を宗は知っている。