長袖の制服を着て、いつもの道を歩く。



首にはマフラー、手には手袋。



カラッと乾いた風が冬の訪れを知らせてくれる。



そろそろ雪虫が舞う頃だ。



この地の夏はあっという間。



半袖が肌寒く感じると木々たちはすぐに紅葉し始め、一時で枯れはてる。



ハラハラと舞い散る落ち葉がたまにあたしの肩にとまる。



秋から冬にかけてのこの季節苦手なんだよな……



あたしは口元をマフラーの中に隠し、足早に学校へと向かう。



「カナ~~!!」



校門の前で手をあげながら、あたしの名前を呼んでいるのは宗。



朝練が終わるといつもあそこで待っていてくれる。



寒いから中で待ってなって何回言っても言うことを聞かない。