一週間部屋に篭ったまま泣き続けたあたしに祐樹は何も言わなかった。



豊の誕生日から一週間と一日。



あたしは部屋の扉を空けた。



「おはよ」



祐樹は何もなかったように挨拶をしてくれる。



「おはよ。今日から学校行く」



「あぁ」



きっと心配をかけたと思う。



でも、あたしがこの部屋から出るまで待っていてくれた祐樹に本当はありがとうって言いたかった。



「祐樹……」



「ん?」



いつもより少しだけ口調の優しい祐樹。



「あたし……」



「俺に一々報告しなくていい。解決できたならそれでいい」



「うん」



「解決できないときはいつでも言って来い」



「わかった」